開成中学、筑駒中の志望者など、中学受験で「銀本」演習は意味が無い。

中学受験で通称「銀本」というものがあります。
これは、「いろいろな中学の前年度の入試問題を収録してある」本です。
そしてこの銀本を「やれ」という勉強法があります。
まず結論から。意味がありません。
中学受験での「銀本」よりまえに、公立高校受験の世界で通称「電話帳」演習というものがうまれました。
公立高校受験の世界での「電話帳」とは全国の各都道府県の「公立」高校入試をほぼぜんぶ収録したものです。
銀本・勉強法は、この「公立」高校受験の世界における「電話帳勉強法」のコピー(パクリ)です
公立高校の場合は、ほんとうにハイレベル、かなりの思考力を問う問題はほとんどでません。
また、公立高校の場合、都道府県が違っても、数年分集めるとどこでも共通した問題が出ています。
そもそも公立高校入試の方は、ふつうの公立中学校の世界で偏差値40、偏差値50の人も受ける。そういうテストです。
そういうテストで、ハイレベルな問題をたくさん出せますか?
また、公立高校の入試とは、普通の公立中学の生徒がたくさん受けて、適度に(なだらかに)点差が出る。それがmustな試験です。
ですから、公立高校の入試では都道府県がちがっても「ほどほどな」「似たような」問題が出ます
「公立」高校入試なら、電話帳演習は、「でそうな問題の演習量を増やす」期待はできます。これまで述べたような理由から、どの県でも似たような問題が出ますから。
では、ひるがえって、中学受験で、灘中、筑駒中、開成中、麻布中、慶応普通部、このあたりの入試問題を並べたときに、「なんだ似てるじゃん」となりますか?
さらにとくに、麻布中合格最低点は得点率何%でしょう?「公立」高校入試のように「上位校は、得点率93%でしょうか?
中学受験で、銀本をやるのは「第一志望と出題傾向がぜんぜん一致しない(合格最低点、よく出る分野も全然違う)そんなものをいろいろやるだけ」で無意味です

銀本「演習」は、公立高校受験の世界での電話帳演習、その考え無しのパクリです。
(公立高校とちがって、「似たような」問題は出ないので、意味がありません。)
(余談?)
中学受験での「銀本」演習は、それをやらせると塾側が楽なのです。教えるわけではなく、「やって、答え合わせもしなさい」と言うだけなので。
塾はちょっとやったとしても、○、×をつけて通りいっぺんのコメントをつけるくらいなので。(塾側が楽なんです。)
そして、通りいっぺんのコメントくらいしかつかないのに、塾からの返却は遅い。

“全国過去問”演習(中学受験だと「銀本」)は、「公立」高校受験なら、どの県でも「ほどほど」の似たような問題しかでないので、一応有効です。
しかし、私立中学一貫校受験での「銀本」演習は、中学入試では各中学がそれぞれ独自な問題を出すので、「銀本」をやっても「第一志望と全然ちがう問題」をいろいろやるだけになり、無意味です。ムダです。
当ブログの筆者の略歴一橋大学・卒。プロ家庭教師。講師歴サピックス駿台予備校、医学部専門予備校、など。合格実績東大京大大阪大学(医・医)名古屋大学(医・医)東北大学(医・医)九州大学(医・医)、など