新センター試験、大学入学共通テストの国語。
ちょっと目玉になったのは、記述式問題を導入することです。
多角的な読み取り、論理的な読み取り、理解、+表現力、こういう方向をめざしているようです。
これについてもまず批判があります。
それは、PISA型のことをやって、日本はやっていますといいたいだけの可能性。
各論としても、センター試験でいう試行テストが公表されましたが、その解答についてかなりの問題があります。
目玉である記述式問題(国語)について、0点とはまったくいえない別解が4通りくらいありえるのですが、模範解答は1つしか示されていないのです。
受験者数が多いテストでは基本的に採点は、「採点バイト」の人がやります。
そうすると、採点官が、本文読んで、まっさらな状態で自力で解いて、自分なりの解を書いてみる。そして模範解答と照らし合わせてみる。
これが行われる可能性はかなり低いです。
そうすると、解答は複数ありえるのに「1つ」しか用意されていない模範解答と表現の仕方が違うと機械的にバツつまり「0点」にされる。
教養への悪影響がどうのこうの以前に、「本文を読んでいれば、解答としてOKと言い得るものが、採点バイトなので「0点」にされる」。
こちらの方が試験として問題でしょう。
中学受験の世界では、この「模範解答とぴったり一致以外は、抜き出し問題ではなく記述式なのにバツ、0点」は起きています。
入試ではありません。中学受験の某大手塾のテストでです。中学受験の某大手塾の国語のテストでは、「自分で書く記述式問題なのに、模範解答とほぼ一字一句同じでないと、だいたい0点」。
塾のテストで(しかも大手塾)で起きています。
これまで書いてきたようなことから、新センター試験、大学入学共通テストの国語でも同じことが起きる可能性がかなりあります。
(「採点バイト」、自分で書いてみるはほぼありえない。試行テストで、5つ解答がありえるのに、「模範解答」が1つだけ。「バイトの」機械的な採点で「0点」にされる)
センター試験と同じくらいの数の答案が来る試験で、「記述式」。そもそも無理があります。
人が考えて書く問題では、解答の「書き方」(表現)のバリエーションは少なく分けても3~4通りあることが多いです。
例えば、開成中学は入試の国語の解答例を公開しています。開成中学が、点数のよい解答として公開しているものは、1つの問題に対して3通りくらいはあります。
もしこれを、新センター試験、大学入学共通テスト方式でやったとすると、開成中学なら、ほぼ満点近い点数になる答案が「0点」にされる。
これが起き得るわけです。
(「採点バイト」、自分で書いてみるはほぼありえない。試行テストで、5つ解答がありえるのに、「模範解答」が1つだけ。)
*当ブログの筆者の略歴;一橋大学・卒。プロ家庭教師。講師歴;サピックス、駿台予備校、医学部専門予備校、など。合格実績;東大、京大、大阪大学(医・医)、名古屋大学(医・医)、東北大学(医・医)、九州大学(医・医)、など。
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