高校受験にある、2つの世界。
高校受験の場合、ほとんどの人が受けるのは(いわゆる)業者模試だと思います。
また「偏差値」というと、高校受験のときの業者模試の偏差値を連想する人が多いと思います。
それでの偏差値70の価値、偏差値70の信頼度および、高校受験には大きく2つの違う世界がある。その話をします。
そういうよくある高校受験の業者模試で、偏差値70、72を取ると早慶の付属高の合格可能性が60%(40%)などと出たりします。
しかし、これは実勢とかなりズレがあります。
わたしがデータ自体も見て知っているケース、聞いたケース(名前は把握している)、それらで考えると業者模試での偏差値71の実際の早慶付属高合格率は、10%くらいです。
にも関わらず、業者の成績表には合格可能性50%などと出ます。
(けっこうおかしな現象が起きています。)
ズレが大きく、ズレがあるままなんです。
そこで原因を考えてみました。
高校受験、業者模試、こちらは追跡調査がかなり甘いのかもしれない。
(高校受験の「業者模試」の実施母体は、ちょっとした小さい出版社、教材屋さんだったりですし。大手予備校とは、マンパワーがぜんぜん違う、小さい)
偏差値70をとっていて、早慶の付属高に落ちた人は、「なんだ、付属落ちたよ」「ぜんぜん全勝にならなかったよ」「黒星ついたよ」と思うから自分の情報を模試の業者に送ったりなんかしない。
仮にそうだとすると、
業者模試で偏差値70をとって(300人中)(中学生)
・早慶付属高に落ちて、「なんだ、付属落ちたよ」=自分の情報(結果)を模試の業者に伝わるようにはしなかった=200人
・早慶付属高に落ちたけど、送った=60人
・早慶付属高に受かって、自分の情報(結果)を業者に送った(伝わるようにした)=40人
こうだった場合、
業者のデータ上は
40/(60+40)=40%
でも本当の母数では
40/300=約13%
*模試を受けただけ、なので自分の情報(受験の結果)を伝わるようにする義理もないですし。
早慶の付属に落ちれば、なおさら。出来るのに不合格高があるという結果になったということですし。できるのに「早慶の付属おちた」、そういう気分のときに模試を受けただけのところに自分の情報を提供する手間をかける。やるでしょうか?
さらにそもそも、よくある業者模試の問題は基本的に公立高校入試をかなり意識した出題です。一方、慶応・早稲田の付属高の問題は数学、英語の問題のレベルがかなり高い。
問題の質が違いすぎる。
ですので、よくある中学生が受ける業者模試で、早慶の付属高の判定をするのは無理です。
だから、よくある業者模試で偏差値70や71の人達が早慶の付属高を50人くらい受けて、受かったのは4人。
こうなったりしています。
業者がいう合格可能性と、私が見聞きした「合格率」のズレ。
それについては、上述のようだったなら、説明がつきます。
*模試を受けただけ、ですしね。受験結果を業者に把握させる義理はないですし。(しかも、出来るのに不合格高があるという結果になったということですし。)
偏差値70
これが多くの人にとっては、中学生のときにうけた業者模試の偏差値70。
その信頼度は、上述のようなものです。
公立高校に対しては、信頼できます。ですが、早慶の付属高については、10%くらいの信頼度。
最近は、「ハイレベル」中学受験塾も、中位・下位の人数が激増していたりします。(校舎をすごく増やしている。「チェーン店」?)
その現状で塾内のテストの出題レベルをキープすると、低得点者ばかりになります。
ですので、「ハイレベル」中学受験塾の塾内テストも、公立の中学生がうけるよくある「業者テスト」と諸々がそんなに違わないものになりつつあります。
*算数・国語で、体裁のために記述問題をちょこっと入れるだけ。
ああいった塾内テストの偏差値などで、筑駒、麻布、開成などの判定つきますか?
*当ブログの筆者の略歴;
一橋大学・卒。(+東大・理2、再受験で合格。親に止められ入りなおし進学は出来ず。)
プロ家庭教師。
講師歴;サピックス、駿台予備校、医学部専門予備校、など。
合格実績;東大、京大、阪大(医学部・医学科)、名古屋大学(医・医)、東北大学(医・医)、九州大学(医学部・医学科)など。