東大の理類と国立大学の医学部はたしかに「理系の最上位」ではあります。
受かるのはたいへんです。
とはいえ、「東大および国立大学(医学部)」(東大・国医)という指標はあまり意味がない、おかしな指標だと考えています。
まず、それぞれが「難しくなる理由」をきちんと考えてみます。
国立大学(医学部・医学科)
「難しくなる理由」
・定員が少ない。
・国立大学の医学部は離れたエリアの人も受けにくる。
(受かって1人暮らししても、総費用が私立大学医学部より安くなるから。)
・入試問題はそこまできつくはない。
(普通の国立大学(医学部)では、数学でまちがいなく「難易度C」という問題の出題率は低め。)
・どの大学でも全国区になっていて定員も少ないから、受かるにはかなりの高得点が必要。
(「苦手な科目、ちょっと好きじゃない科目」とは言ってられない。)
(入試でポカや思い違いを2つなどするとその時点で黄色信号。)
東大
「難しくなる理由」
・数学、英語、物理の問題に独自性もある。
・数学は重い問題、難易度C問題も当たり前のようにでる。
(数学で、難易度C問題を全部捨て問にして合格というのはほとんどありえない。)
・英語は理系にとっては負担感が大きい出題。
・読む分量、記述量が普通の地方国立大学とはかなり違う、多い。
(それでも、そんな英語も「きちんと採点されて」60%は取れていないとまずい。)
・2次の総得点は50%ちょっとで合格になる。
(数学、化学(物理)の点数は伸びないことがあるため。)
(普通の)国立大学(医学部)と東大とで、「難しい」の質、同じですか?
国立大学の医学部=どこの大学でも全国区。定員が少ない。問題は難易度的にもわりと普通。完成度が高くないと受からない。
東大=数学、英語の問題に独自性がある。独自性のある問題を全部捨て問で合格はありえない。
「東大・国医」という指標をいっている人が「指導者」の場合、わたしとしてはこの人は自分の頭使っているのかな?
週刊誌の記事をそのままパクってない?
と思ってしまいます。
またそういう指標を言っている「指導者」は、「医学部志望者を教えてないんじゃないかな?」とも思います。
地方国立大学の医学部・医学科にいきたい生徒さんに、東大を意識した指導、東大合格の基準を意識しても意味がないですから。
医学部志望者を指導している指導者なら「東大・国医」と頭の中で並列にはしません。
「国立大学医学部志望者の場合、嫌いな科目、仕上がっていない科目があるままではまずい。(普段からポカ、勘違いもまずい)」
「東大志望者の場合、数学で難易度C,Dを全部捨て問はダメ。理系でも英語は東大の2次において「きちんと採点されて」60%は取れないとまずい」
指導者が考えることはまったく違うのです。
「東大・国医」という指標をいっている人が「指導者」の場合、この人は自分の頭使っているのかな?
週刊誌の記事をそのままパクってない?
医学部志望者を教えてないんじゃないかな?
とわたしは思います。
<<当家庭教師センター全体での入試結果>>
2021年入試。
259人中。
東大、87名合格。
国立大学・医学部(医学科)54名、合格
*東北大学・医学部(医学科)、北海道大学・医学部(医学科)を含む。
早稲田大学:267人、合格(*複数学部合格をカウント)
慶応大学:178人、合格(*複数学部合格をカウント)
*慶応大学は、医学部(医学科)合格8名を含む。
一橋大学、11名合格。東工大、10名合格。