国立大学・医学部と旧帝大の工学部あたりの「ランク比較」「難易度比較」をしている人たちもいます。
しかも、オンライン塾の塾長、講師だといって、そういった「国立大学・医学部と旧帝大の工学部の比較」をしている人たちもいます。
河合塾あたりの偏差値を持ち出して。
進学、職業に真剣でない人たちだと思います。
週刊誌のライターみたいな感覚。
医学部に行くこと、旧帝大の理系に行くこと、それについてわがこととして真剣に考えたことがない人たちだと思います。
なぜかというと、学部やその先の職業のことについて真剣だったら、国立大学の医学部に進むというのと、旧帝大の理系に進むというのは別の世界の話だと実感できているはず、なのに「別の世界の話」だと理解・実感していないからです。
偏差値を持ってきて、東・京・国医みたいなくくりなどでものを言う。
週刊誌のライターみたいなとらえかたをしている。
ですが、国立大学の医学部と旧帝大の理系(工学部など)は、交わらない、別の世界です。
まず「医学部に進学する」ということ。
医学部は特殊です。
医学部以外で、たとえば「工学部」だったり「経済学部」にいった人の場合は、就く仕事はけっこう分岐もします。
しかし医学部に進学するということは、その先の仕事は基本的に医師です。
卒業後の仕事が1本に固定されています。
ですから、「ちゃんと」医学部を目指す人は、「自分はほんとうに医学部に進んで、医師になるのか」をかなり考えます。
(現実問題としても、医学部に進むと、そのあと「進路変更」はしにくいです。もどれない道の部分もあります。医学部進学について真剣に考えていれば、または自分の子供や生徒さんに関して、「進路」のことを真剣に考えていれば、医学部進学は路線変更がやりにくい、もどれない道ということもはっきり認識します。)
そして、考えが固まった場合は、ほとんどの場合、医学部しか受けません。
つまり、真剣な人は国公立大学・医学部と旧帝大の理工系の「ランク比較」「難易度比較」などしません。
「自分が受けるのは、国立大学の医学部」だから。
考えたり気にしたり、話を通したりするのは
「日本全国、どこでも国公立大学・医学部だったら自分は(本当に)いくのか」
「親からそのOKは出るか」
これくらいしかありません。
したがって、こういった人が地方旧帝大の理工系を受けるということは(ほとんど)ありません。
旧帝大の工学部などを「気にする」こともほとんどありません。
一方、国立志望、自分でも理工系統かなと感じている、そしてけっこう出来る人の場合。
工学部意識だったけど、高2の終わりに医学部受験にする
こういう人はあまりいません。
*医学部志望になる場合は、小学生の後半とか中学生で、「一番やりたい仕事は医者。将来は医学部に行こう」と思っていることが多いですから。
また、国立大学・理系だと思っておいて、仕上がったら「医学部にすれば」、こんな感覚で高3になって医学部志望にして受けると、面接で落ちます。
(数学の大問1つ分くらい面接点を落とされて、落ちます。)
真剣で経験値のある指導者なら、それをはっきり認識しています、知っています。
ですから、「国立大学・理系だと思っておいて、仕上がったら「医学部にすれば」」、そんな戦略(もどき)は、あまりにリスキーで提案などは「しません」。
このように、国公立大学・医学部志望者と、国立大学上位で工学系統志望、
その2者は別の世界にいます。交わりません。
国立大学・医学部志望者は、まず小学校のおわりか中学くらいで「医者をめざそう」と考えます。そして高校生になったら「本当に自分は医学部受験をするのか」、「日本全国、国公立大学・医学部だったら自分はほんとうに行くのか」を真剣に考えます。
そこまで考えます。なので、国立大学・医学部志望者が、旧帝大の工学部のことを考えることはありません。
一方、旧帝大・工学部にうかるべくしてうかる人は、物理やAIや数学に関心がある人です。興味の対象は、人体や細胞やウイルスではありません。
このように、その2者は別の世界にいます。交わりません。
したがって、上位国立大学の理工系と、国公立大学・医学部「を」比較する、これは意味があるでしょうか?
仮にその比較をしているのが「指導者」だった場合、国立大学・医学部志望者を教えたことがあるのでしょうか?
その人から真剣な相談を受けたことがあるのでしょうか?
オンライン塾の塾長、講師だといって、国立大学・医学部と旧帝大の工学部の「比較」をしている
それはいうなれば、「サッカーの全国大会出場者」と「水泳の全国大会出場者」はスポーツの世界でどっちが上か?
こんなようなことを考えているのといっしょです。
(意味あるのでしょうか?現実に、特定の1人が両方をめざす、そんなことは実際にあるのでしょうか?)
<<当家庭教師センター全体での入試結果>>
2021年入試。
259人中。
東大、87名合格。
国立大学・医学部(医学科)54名、合格
*東北大学・医学部(医学科)、北海道大学・医学部(医学科)を含む。
早稲田大学:267人、合格(*複数学部合格をカウント)
慶応大学:178人、合格(*複数学部合格をカウント)
*慶応大学は、医学部(医学科)合格8名を含む。
当ブログの筆者の略歴;
一橋大学・卒。(+東大・理2、再受験で合格。*再入学はできず)プロ家庭教師。
講師歴;サピックス、駿台予備校、医学部専門予備校、など。
ネット指導用の英語の教材をいろいろ作りました。月4回。費用は、数学・物理=月額で最高でも14000円。英語=月額で最高でも7000円です。(週1回x4回の場合)
各種お問い合わせは、このブログのコメント欄でも受け付けをしています。本ブログコメント欄への書き込みは、管理者が承認するまで「表示はされません」。(個人名をお書きになっても、ブログには非表示のまま私にだけ伝わります。