公立中高一貫校、都立中高一貫校も選択肢ではありますが。(実績、費用。節約できる?)

学力や「実績」の関係でいうと、優秀な小学生はいま、高レベル塾に通い、「私立の」中高一貫校に進学します。
進んだ場合は、子供が12歳の時点学費、費用がかかる、それでも上位層は「私立の」中高一貫校に進学します。
とくに東京・神奈川・兵庫・大阪で、費用がかかるとはいえ、私立の一貫校に進学していないと上位層においては正直その時点でいくらか出遅れです。
私立一貫校は、中学のときから費用が年50万円くらいはかかります。
しかしたとえば東大合格者については、全体でもかなりの比率を私立一貫校出身者が占めています。
一方ほぼ全ての都道府県において、公立高校、公立中は学費が安いか費用がかからない。
にもかかわらず、東京・神奈川・兵庫・大阪では優秀な小学生はいま、高レベル塾に通い、「私立の」中高一貫校に進学します。
費用の節約といったようなことでいうと真逆の動きです。
これは公立高校の広範囲での地盤沈下が強く関係しています。
前に書いたように、東京(都内)、神奈川では、まず、グループ選抜など制度変更がなされ、費用が安い公立高校の大学進学実績が落ちました
とくに有名都立高校の実績の低下は強烈でした。
最盛期は東大合格者が190人超いた都立日比谷高校東大合格者数が1人、そこまでになったなど。
それをみた保護者の方たちが私立志向を強めた、といういきさつがあります。
灘が超進学校化した経緯も大筋ではまったく同じです。(開成もそのパターン)
そしてその後の傾向としてこのように優秀な生徒が私立に流れる傾向が強まれば、公立全体で学力が低下するのは避けられません。
子供が中学生のときに「学費」がかかるというのは、1970年代までは一般的ではまったくありませんでした。
費用の節約といったのも頭に浮かばないほど、子供が中学のときには「学費」はかからないというのが普通でした
ただ、グループ選抜時代の都立日比谷高校の先生は、制度導入後には生徒の質がかわってしまってやりにくかったと言っていたりします。(それも複数の先生が)
そして、「公立で本当に大丈夫なのか?」と一般の(平均的な)保護者も心配するようになる、というように、公立不信のループが起きています。公立中学から公立高校は、太いルートで、学費もかなり安い、にもかかわらず、背をむけられはじめました。
もちろん、公立が(進学実績に関して)最低だった時期と比べれば、もどってはきています。
でもそれは、偏差値69以上の最上位ランクの数校についてだけです。
偏差値65、66、67くらいの公立高の進学実績の弱さはちょっときびしいものがあります。)
(良くて早稲田がぱらぱら旧帝大数名東大・京大・東工大・一橋ゼロとか)
そこで"公立復権"を考える文部科学省は、その切り札として公立中高一貫校の開校に踏み切りました。有名大学への進学を視野に入れたカリキュラム、地域性を活かした独自の取り組み、安い授業料、学費の節約がかなり可能、といったことを武器に、公立に優秀な生徒を呼び戻そうとしているのです。
さらに、学力が高いだけでなく、リーダーシップを発揮できる生徒を育てようとしています。
入学後の学費を考えたとき、私立と比べると公立中高一貫校は授業料が安い。(そこも魅力でしょう。)
前期の3年間は義務教育なので、一般の公立中学校と同じように入学金や授業料はかかりません。
(*それと比較すると、私立一貫校では、「施設費」がかなり高いこともあります。)
また、時期・都道府県によっては高校も無償化されています。
よって、相当、学費を節約できます。

ただ実態としてはいくらか迷走している部分もあります。
(A)公立中高一貫校は、入学の際、学力試験をしてはいけないことになっている。
(B)入る前、入ってからも「費用」がかからないとうたっているが、実態は違う。
(C)未来の地域のリーダーを育てる。(がジャマ)

(A)については、大学入試では、私立一貫校の人たちと同じ土俵で競うことになります。
そして私立一貫校の人たちは12歳の中学受験の時点で、三角形の相似、面積比といったことができる、それで「中学の入学試験」を突破しています。
また、私立一貫校「入試」では、国語も書いてある内容が大学入試に近い、さらに長文。そしてそういう問題で60%はとれないと中学受験のときに受かりません。
いっぽう、公立中高一貫校は、入学の際、学力試験がNG。
12歳時点での、私立一貫校の生徒(同じ歳)との学力差は、やはり気になります。

(B)については、テストじゃなくて「適性検査」だから、「対策」に費用はかからないという建前です。
しかし、それが実際にそうだったのは「1期生」だけです。
たしか東京の九段中学(都立一貫校)が調査をし、公表していました。
2期生からは、12歳までに塾に通っていた人が7割か8割みたいな調査結果が出ていました。
また、入ってからも、数学、英語、(人によっては物理、地歴も)学校以外のこともやっています。
(公立一貫校の授業は、公立小学校の熱心な先生がやる授業、みたいだったりするので。)

当ブログの筆者の略歴;
一橋大学・卒。(+東大・理2、再受験で合格。*再入学はできず。)
プロ家庭教師

講師歴サピックス駿台予備校、医学部専門予備校、など。

ネット指導用英語教材をいろいろ作りました。月4回。
費用は、
英語=月額最高でも「7000円」

<<当家庭教師センター全体での入試結果>>
2021年入試。

259人中。
東大87名合格。
国立大学・医学部(医学科)54名、合格
東北大学・医学部(医学科)、北海道大学・医学部(医学科)含む。
早稲田大学267人、合格(*複数学部合格をカウント)
慶応大学:178人、合格(*複数学部合格をカウント)
慶応大学は、医学部(医学科)合格8名を含む。