「問題集ルート」、「標準問題さえうめれば受かる」は、30年前の説の劣化コピーです。大学受験、勉強法。

「大学受験に地頭はいらない」
「数学も才能はいらない。解法暗記でいける」
「標準問題を100%できるようにすれば、東大でも受かる」
こういった説をまとまった形で言った人もいます。
ただし、これは1980年代から1990年代「そう言っていた」人もいる
いまもそう言っている場合「そのコピー」です。
「標準問題を100%できるようにすれば、東大でも受かる」これについてちょっと検証してみます。

1980年代から1990年代東大・理系合格最低点は、普通の年210点くらい、難化した年195点くらいではないかと言われています。
一方、近年は、220点~240点です。

その説が提唱された1990年代(1980年代~1990年代)
東大・理系、2次試験・合格最低点
195点~210点

現在
220点~240点

25点から30点現在合格最低点が上です。

1980年代~1990年代のそういった説では、「東大の理系の数学では二次試験できつい問題が結構出る。それは捨て問でいい。2完だけしろ。2完は標準問題をうめてれば解ける。40点+αで受かる」
といっていました。
(いまも、「問題集ルート」説の人は、すぐ「捨て問」といいます。*この「捨て問」説の受け売りでしょう。)
では、数学以外の科目の点数も1990年代と同じだった場合、今うかるでしょうか?
当時東大・理系、2次試験・合格最低点
195点~210点

現在
220点~240点

25点~30点足りません
うかりません

1980年代~1990年代の東大・理系の数学では、難易度D(「大学への数学」による)もわりとよくでていました。
また、難易度C問題も難易度Dに近いようなもののことも多かったのです。
難易度Cの表記だが、適切な解法を思いつけないと答えが出ない問題。
*時間がかかって、(よくて)8点(20点中)くらいしかもらえない問題。
場合によっては、難易度はB扱いだが、その問題からその解法はまったく想定できない。
こういった問題も当時の東大・理系ではよくだされていました。

しかし近年の東大・理系の数学の2次試験では、難易度D問題はほとんどでません。
また実際、得点開示で、東大の理系において二次試験で数学が40点台(2完だけ)で受かっている人は少数です。
また、「標準問題を100%できるようにすれば、東大でも受かる」「きつい問題が結構出る。それは捨て問でいい。2完だけしろ。」
1990年代のこの説だと、数学は40点ちょっとしかとれません。東大・理系において数学でリードの可能性は「0%」です。
数学以外で「ちょっと気になるな」という出来の科目があったら、その時点で不合格です
(「頼りにできる」科目がまったくない。「ひたすら拾いきる」がマスト。心理的余裕がまったくない。数学以外が「ちょっとまずい・・?」となったら不合格。)

「標準問題を100%できるようにすれば、東大でも受かる」
この説は1990年あたりのものです。
「当時は」東大では(数学)
難易度C、ただし適切な解法を思いつけないと、答えがでない。
難易度B、しかし、「その問題から、その解法は想定できない」
難易度D問題。
「当時は」よくでていました。

また
当時東大・理系、2次試験・合格最低点
195点~210点

現在
220点~240点

問題も、合格最低点も、いまは違います」。
前提違います。(事実も違います)
「標準問題を100%できるようにすれば、東大でも受かる」「きつい問題はぜんぶ捨て問でOK」。
当時との前提の違いを考えないでただ受け売りしています。
そしてすぐ「捨て問」という。
東大についても、「今」捨て問戦略2完だけでOKの戦略でいったら、約30点足りません
(落ちます)
数学以外で「ちょっと気になるな」という出来の科目があったら、その時点で不合格です。
「頼りにできる」科目がまったくない。「全部拾いきらなければ」ならない。心理的余裕がまったくない。
数学以外が「ちょっとまずい・・?」となったら不合格。(リードできる科目はないから)
「いま」「この戦略」でいくと、数学40点台、化学か英語で「まずいかな・・・?」
そして不合格になります。

「今は」東大・理系、京大、一橋、東工大では数学難易度C(「大学への数学」基準)をどれだけ取れるか、それで勝負が決まります
また、英語きつめの和訳問題100語程度の英作文、このあたりで勝負が決まります
「問題集ルート」「標準問題以外は捨て問」方式でいくと、東大・理系、京大、一橋、東工大にはほとんど受かりません
現に、「問題集ルート」「標準問題以外は捨て問」説の人たち「自分の生徒さんが、東大に受かりました」「旧帝大の医学部にうかりました」ほとんど言いません

2020年入試、合格実績。
(わたしが担当した生徒さんに関して)

東北大、医学部、医学科。合格。
東大、文2。合格。
東大、文2。合格。
開成中学。合格。

わたしのやっている家庭教師センターとしての2020年入試での実績。

東大、理1(48名)合格。
東大、理2(11名)合格。
東大、文2(18名)合格。
東大、文3(8名)合格。
東北大、医学部、医学科。合格。(*わたしが担当した方とは違う方。)
防衛医科大。合格。
など。

国立大学、医学部、医学科=47名(実数)合格。(上記を除く)

*当ブログの筆者の略歴;
一橋大学・卒。(+東大・理2再受験合格。*再入学は親にとめられた。)
プロ家庭教師。
ネット指導用の英語の教材をいろいろ作りました。月4回月額7000円(5000円)あたりの予定で考えています。)
講師歴;サピックス駿台予備校、医学部専門予備校、など。