まず、ハイレベル塾というのは設立当初は知る人ぞ知るという存在なので、その塾を個人的に知った人くらいしか入塾しません。そのため生徒数は少ないが、かなりハイレベルな子ばかりいるという状態になることも多いです。
教室は1つか2つで、一学年100人いるかどうか。
つまり図でいうと、黒い線。この分布になります。
そこから10年くらい経つと、塾の知名度が上がっていくので、ハイレベル層といわゆる下位層が両方とも増えていきます。
一学年の人数も数倍になります。
図でいうと、青い線の分布になります。
そしてそこからさらに時間が経つと、こだわりをおもちで、また塾にお詳しいご家庭のお子さんたちはその塾から抜けていきます。(大衆化したことに気づく、その塾の専門性の低下に気がつく、先生のレベルの低下に気がつくから。)つまり、本当の上位層は「薄く」なっていきます。同時に、中間層、下位層が増えていきます。校舎の数がかなり増えたりし、人数も初期の何倍にもなってきます。図でいうと、赤の分布です。
この段階になると、生徒数ははっきり増えているのに、最上位校への合格数が伸びない。(下がってくる。)これが見えてくるようになります。
またこれはその塾のレベルの低下の証拠でもあります。
そして、この赤の分布の状態になると、塾はテキストなどの変更もします。しかしそれは、中間層、下位層を意識したものになります。
また、青や赤の分布の状態の頃になると、以前は入塾テストで落ちていた子が入塾できている。普通かちょっと「下」の子も入塾してるよ、こういうことがよく起きるようになります。または、無試験で入塾OKの学校群などを増やす。こういうことが起きます。そうなってきたときは、その塾はもう図の黒の分布ではなく、赤の分布になっています。この段階になると、教室の数が増え、生徒数もはっきり増えているのに、最上位校への合格数が伸びない。(下がってくる。)この段階になると、その塾から最上位層はもう抜けています。「だから」校舎がかなり増え、生徒数は増えているのに、最上位校への実績が上がらなくなるのです。
*当ブログの筆者の略歴;一橋大学・卒。プロ家庭教師。講師歴;サピックス、駿台予備校、医学部専門予備校、など。合格実績;東大、京大、大阪大学(医・医)、筑駒中、開成中学、など。
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