受験における「(真の)ハイレベル塾・ハイレベル模試(A)」の分布と、受験の普通の集団・全体の集団(B)とをイメージ図でかいてみました。
世間では、「ハイレベル」塾・ハイレベル模試といわれているものがあります。また関係者が「この模試は高レベルな人がかなり多く受験する模試です」などと宣伝している模試もあります。しかし、ほんとうにそうなら、在籍者層・受験層が高いので、上位の国立大学の医学部、東大、開成中学、開成高校、筑駒といった学校の「基準偏差値」は「低くなります」。そうでないと矛盾します。
塾・予備校などが言っていることが本当ならば、そういった塾・予備校の在籍者層や「ハイレベル」テスト(模試)の受験「層」は画像の「A」のはずです。入試の合格ラインは画像の横線です。
では、画像の「A」グループ(塾の中、その模試)で「●」の成績の人の偏差値はどれくらいのはずですか?
偏差値47~50くらいのはずです。この人も「合格ライン」を越えています。
したがって、「ハイレベル」塾・予備校・「ハイレベル」模試の集団がほんとうにハイレベルなら、上位の国立大学の医学部、東大、開成中学、開成高校、筑駒などの合格基準偏差値が、50前後とか偏差値50台になっていなければおかしいわけです。
お通いの塾・予備校、「ハイレベル」試験、「そうなっていますか?」
※なお、「ハイレベル」塾、御三家御用達塾などは、授業時間の長さ、扱う問題の量、これだけでなんとかしている部分もかなりあります。バタバタして、効率は悪いです。
偏差値というのは「「その集団」の中での相対的な位置」を数値化したものです。
今回の話に即して補足すれば、たとえば同じ問題のちょっとむずかしめのテストを画像の「A」グループ、全体グループ(B)、この2つの全員に受けてもらったとします。
そして、「A」のグループにいて70点をとった人X君と、同じく全体グループ(B)で受けて同じ70点をとったY君がいたとします。
(受験者数が多ければ、「同じ点数の人」は出現します。)
そして、「X君の、Aグループでの偏差値」と「Y君の全体グループでの偏差値」、これはどちらの方が低い数値になりますか?
こういう話です。
そして、同じ70点ですが、「X君の、Aグループでの偏差値」の方が低い数値になります。
*「A」グループには低い点をとる人が少ないので、「A」グループでの平均点は高いものになります。そうすると「偏差値」は低くなります。
このことから
「同じ実力で、偏差値が「低く」出る」=そのグループのレベルが高い。
「同じ実力で、偏差値が「高く」出る」=そのグループのレベルが低い。
ですので、医学部や東大、開成中学、開成高校、筑駒などの「基準偏差値」が「低い」=そのグループのレベルは高い。
逆に言うと、人気・ハイレベル校の「合格基準偏差値」の数値を見て、その数値が「低くなかった」ら、そのグループはレベルが高いとはいえない。
本当にレベルの高い集団なら、医学部や東大、開成中学、筑駒などの「合格基準偏差値」は偏差値50台などになる。
今回の話はこういうことです。
*偏差値というと、公立高校受験の偏差値が頭に浮かぶ人も多いと思います。
公立高校の受験の偏差値で、トップ高の偏差値は71とか72になるのは、判定グループが「普通の中学生全体」で母集団のレベルが低いからです。
このことから考えると、トップ校の「基準偏差値が高い」、「基準偏差値がたいして低くない」=「その」集団のレベルが低い。「普通の全体の集団」にレベルとして近い。
お通いの塾・予備校でのトップ校の「合格基準偏差値」、偏差値50台になっていますか?
「ハイレベル」模試の、合格基準偏差値、偏差値50台などになっていますか?
「合格基準偏差値」がはっきり偏差値60を越えている、偏差値70くらい=「その」グループは、グループのレベルが「普通の中学生全体」とほぼ同じ、です。
塾や「その」模試・試験の主催者側は、自分の塾を「A」だと思わせようとしている。(また参加している人達も「A」だと思っている)
ですが、医学部や東大、開成中学、開成高校、筑駒などの「基準偏差値」が偏差値50台でないのならば、「その集団は」むしろBの普通の集団に近い。
*当ブログの筆者の略歴;
一橋大学・卒。(+東大・理2、再受験で合格。*再入学は親にとめられた。)
プロ家庭教師。
(ネット指導用の英語の教材をいろいろ作りました。月4回で月額7000円(5000円)あたりの予定で考えています。)
講師歴;サピックス、駿台予備校、医学部専門予備校、など。
↓関連記事;大きい太文字の記事タイトルをクリックでジャンプします。
大学受験の「御三家御用達塾」、中学受験の「ハイレベル」塾、それらの近年の実情。 - 大学受験、東大、国立大学の医学部への道、筑駒、開成、勉強法、予備校、塾の選び方