非受験学年の人に「高2の段階で、共通テストの英語で@@%とれ。@@%取れれば早稲田の可能性がある」
こんなことを言っている指導者もわりといます。
でもこれは、かつての「高1か高2でセンター試験の英語で@@%だったら、到達度が~」、の安直なパクリです。
しかも、(旧)センター試験の英語の問題と、「共通テスト」の英語の問題の質の違いをまったくみていない、そしてその結果、空論になっているものです。
(旧)センター試験は、中央大学、明治大学、日本大学などが出しそうな読解問題の比率が高いものでした。
また(旧)センター試験の「並び替え英作文」について高2で高得点をとれる人は、「和文英訳」ならわりと書ける人というのも成立していました。
(旧)センター試験については、そうでした。
しかし「共通テスト」の英語は、
・英作文要素ほぼ無し。
・長文などが、私大が出すようなものがほとんど入っていない。
*長文問題について、「共通テスト」のクセが強すぎる。
たとえば、「共通テスト」の英語の本文は
・サークル、催し物の案内のチラシ。
・同級生からのメール文。
・ネイティブの子供用の教材。
・観光地の案内板、ある観光地についてのウェブページ。
ほとんどがあまりにも「日常生活でみる何か」になってしまっています。
しかしこんな文は、中央大学、明治大学、日本大学、早稲田ではほぼ出ません。
こういった有名私大では、上記のような「共通テスト」のような英文は出ません。
「高2の段階で、共通テストの英語で@@%とれ。@@%取れれば早稲田の可能性がある」
この基準、成立するでしょうか?
また、まず単語帳・文法問題集。
市販のそういったものを速習、大量にで、低いスタート地点(全統記述で総合偏差値40台)からでも先取りしていけば早稲田に受かる。
そんな感じのことを言っている指導者もいます。
まず英語で「単語帳を」やらなければいけない人というのは少ないです。
また単語帳だと、文脈がないことも多いです。
文脈のない、機械的な暗記はうまくいきません。
それはそもそも人間の脳は苦手とするものです。
人間の脳は、「自分の感情と結びつきがないもの」「ストーリーのないもの」「まとまった意味のないもの。たとえばランダムな数字の列、ただのアルファベット列など」
こういったものを記憶するのは苦手なものです。
「単語帳」はたいていは、英単語1語⇔訳語。
これは人間の脳みそが覚えるのを苦手とするものです。
さらに、「市販の問題集だけでいける、速習、大量にで早稲田に受かる。」これも空論に近いものです。
なぜかというと、市販の英語教材は、「どこかの入試問題をそのまま収録」していることがほとんどです。
となると、元の出題校のクセがかなり入ってしまっていることになります。
英語の総合タイプの問題集に載っている問題が、青山だった場合(文末に「青山学院大」と書いてある。)
その問題は、「青山のクセ」がかなり出ている問題です。
問題の末尾に「学習院大」とある場合は、ほとんどの場合、学習院が出した問題をそのまま載せています。
青山のクセがだいぶ入っている問題(英語・総合)
学習院のクセがだいぶ入っている問題(英語・総合)
それを、大量・速習、それで早稲田対策になるでしょうか?
さらにそういった勉強法を提唱している指導者は
初期は単語帳と文法問題集をやれ、といいます。
しかし、市販の英語の「文法」の問題集などは、ほとんどが「文法問題に答えるためのもの」になってしまっています。
たとえば過去形の文であっても、変わらない真実であればそれは現在形で書く、など。
(例:彼は人は必ず「死ぬ」と「言った」。*死ぬは現在形で~)
しかし普通の受験生がそんな文を英作文で書くことはほとんどありません。
ですから「文法問題集」の重要性は低いです。
(さらに、この10年ほどは、最上位ランクにおいては文法問題の出題比率は下がってきています。)
(1)単語帳⇒(2)文法問題集⇒(3)和訳問題集・総合問題集(易)⇒(4)英作文(和文英訳)問題集⇒(5)総合問題集、自由英作文。
こんな感じで速習、大量で、低いスタート時点からでも早稲田にうかる。
そんな感じのことを言っている指導者がいます。
しかし
(1)単語帳=人間の脳みそは文脈無しの丸暗記はそもそも苦手なもの。
*だから単語帳、だとすぐ忘れて何周もになり、むしろ効率が悪い。
(2)文法問題集=そんなところがキーになるような英作文を普通の受験生が書くことなどほとんどない。
+「文法問題」の出題比率は、最上位ランクではかなり下がってきている。
(4)英作文(和文英訳)問題集=この形式はかなり減ってきています。
*自由英作文と接続できるものでなければ、無意味に近くなります。
(5)総合問題集、自由英作文=市販の問題集は「どこかの入試問題をそのまま収録」していることがほとんど。
*出題校のクセがかなり入ってしまっている。
「市販の問題集だけでいける、速習、大量にで早稲田に受かる。」
こんな感じのことを言っている指導者がいます。
これは成立しているでしょうか?
<<当家庭教師センター全体での入試結果>>
2021年入試。
259人中。
東大、87名合格。
国立大学・医学部(医学科)54名、合格
*東北大学・医学部(医学科)、北海道大学・医学部(医学科)を含む。
早稲田大学:267人、合格(*複数学部合格をカウント)
慶応大学:178人、合格(*複数学部合格をカウント)
*慶応大学は、医学部(医学科)合格8名を含む。
ネット指導用の英語の教材をいろいろ作りました。月4回。
費用は、
英語=月額で最高でも「7000円」
当ブログの筆者の略歴;
一橋大学・卒。(+東大・理2、再受験で合格。*再入学はできず。)
プロ家庭教師。
講師歴;サピックス、駿台予備校、医学部専門予備校、など。
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