今の時代に、中学生(or高1)の時点で「医者に」と真剣に思っていない人に医学部を勧める指導者たち。「医師の実態」、知ってますか?

どこでもいいから医学部にいけば
・仕事はかならずある。
・早いうちから高収入。
・社会的信用や社会的評価がある。

「だから」最上位の国立大学の理工系と医学部とで迷ったら、医学部へいけ。

こんな感じのことを言っている指導者もいます。

ですがそれは「医者としてやっていくとは実際にはどういうことか」これを全く分かっていない意見です。

実際には、
・医者はかなり体力勝負である。

たいていの場合は、医師=「勤務医」です。
そして、勤務医は病院のかけもちもけっこうします。
「病院のかけもちが必要になるケース」もけっこうあります。
わたしには大人になってから知り合った医師の知人はかなりの人数います。
そしてその70%弱の人が病院のかけもちをしています。
ですからわたしの知人の多くの医師は、「うまく休まないといけない」とよく言っています。
このように、医師=体力勝負です。

・これからは、「必要な医師の数は減っていく」(場合によってはいままでよりも医師余りになっていく)

まず医学部の定員=医師の数は厚生労働省がコントロールしています。
そして、これから日本は人口減になっていく、とお役所も基本的には認識しています。
したがって、かなり生々しい言い方になりますが、「今後は医師にとってのお客様の数は減っていく」。
また、そもそも、厚生労働省は「日本全国でどれだけ医師が必要か」この観点でみています。
つまり、医学部卒の人を日本全体で均等にふったら、足りるかどうか。そういう(扱いの)世界にいくことになります。
したがって、けっこうな確率で、医学部卒、国試合格、医師に=地方勤務になります。
*日本には、東京・大阪・札幌・福岡「以外」のエリアの方がはるかにおおい。

*また人口減のスピードによっては「医者余り」の可能性もあります。
*その結果医師の平均年収がはっきり下がる可能性もあります。

・あきらかなミスをしなくても、「結果が悪ければ」裁判を起こされることもある。
医師はときには、かなり分かりにくい病気の患者さんもみることになります。
自分が明白なミスはしていなくても、患者さんの病状がかなり悪化した、または亡くなった。
こういうときにかなりの抗議を受けたり、場合によっては裁判をおこされます。
とくに勤務医の場合、多いのは1年ごとの契約です。
したがって、かなりわかりにくい病気の患者さんを受け持って、結果がわるくて患者さん側からけっこうな抗議を受けたりもします。その結果、自分にはミスはなくても、その病院内では訳あり医師の位置になります。そうなると、「翌年の契約更新はされません」。 

このように「実際には」
今後は(生々しい言い方ですが)人口減になるから「お客さん」の数は減る。
多くは勤務医になり、病院をかけもち・体力勝負。
医師定員は「日本全国で足りるか(医師全員を日本全国に割り振る)」といった観点で厚生労働省が決めている=けっこうな確率で「地方勤務」の医者になる。
(診察などをして、結果が悪かったら場合によっては裁判をおこされる。結果がわるいと自分にミスはなくても、病院との契約更新が「なされない」)
人口減のスピードによっては、いままでよりは医師余り的になり、医師の平均年収が落ちていくケースもありえる。

医師の実態はこういうものです。

それで
どこでもいいから医学部にいけば
・仕事はかならずある。
・早いうちから高収入。
・社会的信用がある。

「だから」最上位の国立大学の理工系と医学部とで迷ったら、医学部へいけ。

そんなこと言えますか?「その意見」はやっぱり、かなり週刊誌のライター的。(「これからは医学部が注目!」みたいな。でも“人口減スピードによっては医師の平均年収が落ちる。”“医師は体力勝負。”医師の世界を知っていれば、これらを知っているはずなのですが。)

そもそも、そんな感覚で医学部を受けに行くと、面接で「この受験生は医師でやっていくという覚悟ないな。受験の理系トップ層だという称号と「医師」という肩書がほしいだけだな」、そう見抜かれ、面接点で落ちます。

やはり医学部受験がありえるのは
・中学生くらいまでで「医者になりたい。いちばんやりたい仕事は医師だ」。
・親族に医師がいる。(医師の実態に関する感触をもってはいる)
・高校生のときには、「医師として生きていく」ことについて真剣にいろいろ考えた。

こういう人です。

当ブログの筆者の略歴;
一橋大学・卒。(+東大・理2、再受験で合格。*再入学はできず)プロ家庭教師。
講師歴サピックス駿台予備校、医学部専門予備校、など。
ネット指導用英語教材をいろいろ作りました。月4回。費用は、数学・物理=月額で最高でも14000円。英語=月額で最高でも7000円です。(週1回x4回の場合)
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