偏差値は、公立高校受験くらいしかあてにならない。偏差値による判定というものは、そのケースぐらいしか当たらない、の補足。
公立高校入試問題は、「難問」は事実上出せない。
なぜなら、
・対象者が多い。*すごい数。
・注目されている。
・「公」のやっていること。
なので、もしも「難問」や「変わった問題」「クセの強い問題」を出したら、批判が出る、そしてつまるところはその批判に言い返せない。
データも毎年取っている組織や個人もいる可能性があり、仮に難問・クセ強問題を一定数出した場合、「こんなに別の年度より平均点が低い!これは問題だ!」、「こんなひどい点数になっている人がこの年だけ、こんなにいる!」と数字を出して批判される危険性もある。
なので、公立高校入試問題は、「難問」は事実上出せない。(出せても小問で3問とか)
しかし、私立一貫校の中学入試、付属高入試、私大入試では問題視するロジックはない。「私立」だから。
(*民間企業が、「どんな基準で社員採用したって自由」というのと同じ。)
また、国立大学も、上位大学になればなるほど、難易度の高い問題か「難問」を出しても、「考えれば解けます」と「返せる」面がある。あと、「全体に対して出題しているわけではなく」、足切りに合わないレベルに対してだけ出題している、という事実も持っている意味が大きい。
*たとえば、国立の美大や芸大があったとして、その大学が高い基準、および受験時点での独自の才能の有無を選抜基準にしたとしても、そんなに批判は出ない、それと似た感じ。
だから、難問を出すわけにいかず、事実上難問を出せないのは、公立高校入試だけ。
それ以外の入試では、各入試主体が、「これを解ける人に入ってきてもらいたい」という入試問題を作成できる。
さてここで、受験者の多さを誇る模試について考えてみる。
(これは前回の繰り返しになるが)
模試は「ほぼ最低ランクの学校から」「最高ランクの学校まで」同じその模試で「判定を付けようとする」から、
「基礎的問題(ものすごく多くはない)、標準問題(一番出題が多い)、難易度C(ちょびっと)」
ようは、こういうバランスにするしかない。
ところが、私立中、有名私大付属高、上位国立大学、私大全部は、「これを解ける人に入ってきてもらいたい」という入試問題を作成する。必然的に、レベルが高くなるか、問題の特徴が各校強くなる。
実際、東大、一橋の2次の合格最低得点率は、60%くらい。(旧センター試験なら、90%取れてる人もけっこういるランクで、なのに2次試験は60%取れてない人が受験者の6割とかいる、というレベルのものが出ている、ということ。)
よって、問題が必然的にズレる=模試の偏差値の判定であたるわけがない。
(*受験者の多い模試で計れるのは、合格可能性ではなく、「勉強した度合い」)
受験者の多い模試の偏差値などで京大、東京医科歯科大、一橋、東大、慶医、慶應経済、早稲田のメイン学部の「合格可能性」は「計れない」。
*地方旧帝大vs早稲田(地方旧帝大vs慶應)
みたいな比較話で、全統記述模試の偏差値を持ち出す塾長は、「そのランクの実態を分かっていない」。
公立高校受験の世界のことしか知らない(塾長)