偏差値。大学受験むけの模試、判定の信頼度、当たるのか?あてになるか。
大学受験や中学受験に関して、受験者数の多い模試の偏差値にこだわられる方も少なくありません。
偏差値という話題が出た時に、多くの人が頭に思い浮かべているのは、公立中学のときに受けた模試とそれでの偏差値。
そして受験先(第一志望)は基本的に公立高校。
その受験パターンならば、多くの場合、模試の偏差値と判定はあてになります。
でも、いわば逆に、その受験パターン限定です。
高校受験でも、受験者の多い模試(*たいていの中学生が受けている模試)で高偏差値の人たちが早大学院、慶応志木、早大本庄あたりを受けにいって、すごい数落ちているのを耳にした人もいくらかはいらっしゃると思います。
実勢の合格率も事実低いです。
実際、公立中学の中3生がたくさん受けている模試の判定では、事実、早慶付高の判定は付きません、あてになりません、当たっていません。
さらに、中学受験では基本的に、よくある模試の偏差値、判定は合否判定についてあてにはなりません。
特に、麻布中、駒東中、筑駒中、灘中については、あてになりません。
入試で出題されるものと、模試の問題の「質」が違いすぎるからです。
大学受験についても、模試は、1つの模試で、国士館大~東大までの判定を「つけようとする」ので、どうしても出題バランスが特定の配分にならざるを得ません。
つまり
「かなり基礎的な問題、標準問題多め(要求単語力、数学での要求処理量はマイルド)、ちょこっとだけ難易度C問題。」
要するにこういう出題バランスにするしかない。
でも実際には
東大(理類)数学。
難易度B(量普通)
難易度B(処理量多)
難易度B(処理量多)
難易度C(方針重要)
難易度C(処理量多)
難易度C(問題の状況複雑)
京大(理系)数学。
やや易(分野はマイナー)
難易度B(方針重要)
難易度B(論理性、記述に要注意)
難易度C(方針重要)
難易度C(新作度高)
難易度C(抽象度高)
わりとこういうような年が多いです。
とくに京大の数学で出るような問題は、模試ではほとんど出ません。
なので、(人数の多い普通の模試で)判定はつくわけがない。
また、東大が良く出している数学の問題も、模試ではあまり出ない。(処理のところを模試はマイルドになるようにしてしまうから)
英語についても、
模試は「かなり基礎的な問題、標準問題多め(要求単語力はマイルド)、ちょびっとだけ難易度C、自由英作文は軽めかありがちなお題」
でも入試では
慶應(経済)、慶應(法)、早稲田(法)、京大、一橋、阪大などは、単語力について、かなり「上級」レベルのものが文中に多くあっても、それらの単語の差し替えなどは基本しません。
つまり模試レベルで止まっていると、「まったく読めない」。
そういう英文を当たり前のように出してきます。
なので、模試の高偏差値では、ぜんぜん計れません。
自由英作文も、一橋、京大、東大、慶應経済、早稲田(法)などは、かなりの確率で、「事前に自由英作文の模範解答を暗記して、その場で単語やフレーズの一部を入れ替える」、ではまったく通用しない問題を出してきます。
なのに、模試の自由英作文は、軽めか、ありがちなお題。
一橋、京大、東大、慶應経済、早稲田(法)などは模試の高偏差値では、ぜんぜん計れません。