数学や英語の勉強法として「高3の前期までに基礎を固めろ」こういうようなことをいう「指導者」達もいます。ですが実際には、それなりの上位一貫校の人は、高2までで基礎は終わっています。
また、上位公立高校(有力な私立高校がない地域)も、高2までで基礎は終わっていることもけっこうあります。
一橋のときの同期に九州の鶴丸高校出身者がいました。彼は「高3は入試レベルの演習ばっかり学校でやってた」と言っていました。
それ以外の西日本の上位公立高校でも、同じように高2までで基礎は終わっている、高3は学校でも主に演習。
そうなっている学校がそこそこあります。(*数3・Cを除く)
ですから、「高3の「前期」に基礎を固めろ。」
こういうことを言っている「指導者」達がいますが、この人達は、まあまあ上位の一貫校や西日本の上位公立高では、高2までで基礎が終わっている、それをぜんぜん知らない人達です。
また、「基礎、基礎」と総論だけ言う、そういう「指導者」はハズレです。
基礎で通用するなら、高1、高2用の数学の問題集で正答率がよければ、東工大、東大、一橋、医学部の問題でいい線までいかないとおかしいです。
いきません。
高1、高2用の数学の問題集と最上位ランクの大学の入試問題は相当に異質です。
また、基礎というのは
・初学者にとっての基礎事項、基本的な考え方。
・教科書レベルの問題を解ける能力。
・高1、高2向けの模試でそこそこの点数を取れる能力。
基礎といっても意味合いはこれだけあります。
「基礎」と総論で言う指導者は、それを分かっていないわけです。
具体例を言えば、高校の範囲の数学をはじめてやる人にとっては
「x2-16x+39≧0 を解け。」
これも基本的な考え方がまず必要なものでしょう。
因数分解すれば解きやすくなるよ。
または
二次式だから放物線、放物線の概形を描いて、x軸との位置関係を考えろ。
これらは、「初学者にとっての基礎事項、基本的な考え方」です。これらをぜんぜん聞かないで解くのは無理でしょう。ですから「初学者にとっての基礎事項、基本的な考え方」です。
ただ、この問題を解けたからといって高1、高2向けの模試でそこそこの点数を取れるでしょうか?
これでも分る通り、「基礎」といっても意味合いがいろいろあります。
さらに、入試では、センター試験と下位私大以外は、「こういう基礎問題」は出ません。(なお、「例題」の答えは「x≦3、x≧13」です。)
*当ブログの筆者の略歴;
一橋大学・卒。(+東大・理2、再受験で合格。親に止められ入りなおし進学は出来ず。)
プロ家庭教師。
講師歴;サピックス、駿台予備校、医学部専門予備校、など。
合格実績;東大、京大、阪大(医学部・医学科)、名古屋大学(医・医)、東北大学(医・医)、九州大学(医学部・医学科)など。