みなさんが中学生のときに受けた、業者模試。
その業者模試での合格基準の偏差値は
筑駒高;74
開成高;74
早稲田高等学院;73
(早大学院)
となっていたりします。
(筑駒高と早大学院の偏差値差が1。信頼できます?)
しかし、筑駒高と開成高とでは、実際の受かり方は以下のように違いがあります。
開成高校は、入試のとき数学の得点がけっこう低くても合格しています。(「数学40点台かも」で受かっている人もいます。)
しかし、筑駒高は入試問題が難しかった年でも、数学が出来ないと合格はむずかしくなります。
数学の出題レベルについても、筑駒高>開成高校です。
したがって、実際は
筑駒高>>開成高校
です
にもかかわらず、「業者模試」では
筑駒高=偏差値74
開成高=偏差値74
となっていたりします。
どうしても筑駒高にいきたい人は、「開成高校はおそらくうかる、でも自分が筑駒高に受かるかどうか知りたいんだ」
(こういう感覚です。)
さらに
筑駒高=74
開成高=74
早稲田高等学院=73
(早大学院)
などと上2つと早稲田高等学院(早大学院)との差が偏差値「1」だけになっていたりしますが、これも実勢と違います。
早大学院には順当に受かった人でも、開成高校は落ちます。落ちています。
業者模試では
筑駒高=開成高校、-1=早大学院
などとなっていたりしますが、筑駒高と早大学院の難易度差が偏差値1、というのはありえません。
実際の受験結果の傾向は
筑駒高>>開成高校>>>早大学院
です。
ところが業者模試での基準偏差値は
筑駒高=74
開成高=74
早大学院=73
などとなっていたりします。(これは「不合格者」が、「あー落ちた(むかつく)」で業者に合否結果を送ったりはしていない、これが考えられます。)
*受験を離れて、偏差値、正規分布そのものについての補足。
偏差値とは、正規分布を基準として平均からどの辺に相当するのかを出すものです。
あとは、大量に作った商品の一部を無作為抽出して全体が基準どおりのものになっているといえるか、そういうことを調べるためのものでもあります。
偏差値の値は、偏差値70でも2~3%しかそれに該当するデータはありません。
偏差値70でも、統計の世界では例外的なデータ、の扱いになります。
そして偏差値75というのは、約0.6%しか存在しません。
こういう業者模試では、筑駒高=偏差値74、開成高校=偏差値74。
このような値は、統計の世界では、超例外的なデータという認定になります。
(統計の世界では、「偏差値75」に当たるデータは、は超イレギュラーがごく少数でてきただけ。よって無視。こういう扱いをする場合もあります。)
さらに学力という複雑なこと、そして偏差値75は約0.6%しか存在しない。これはちゃんと判定できているといえるのでしょうか?
さらに、こういった業者模試は基本的に公立高校の入試問題を基準にした出題です。(+1.5番手~2番手の私立進学校の問題のレベル)
したがって、こういった業者模試ではよくある問題をひたすらノーミスで解ける、そういう人が偏差値73とか偏差値75を取る可能性もあります。
筑駒高、開成高校の出題は、公立高の試験(+2番手の私立高の試験)と同じでしょうか?
また、わりとできる人はこういう業者模試で英語=96点、数学=100点などをとって「あーはいはい」と思っています。
(「あれくらいの問題じゃあ」「問題がつまらない」というように思っています。そう言う人もいます。)
そして3科の偏差値は73など。それで慶応、早稲田の付属高を受けてかなりの人が「落ちて」います。
業者模試では
筑駒高=74
開成高=74
早稲田高等学院=73
(早大学院)
筑駒高と早大学院の偏差値差が1
??
*当ブログの筆者の略歴;
一橋大学・卒。(+東大・理2、再受験で合格。親に止められ入りなおし進学は出来ず。)
プロ家庭教師。
講師歴;サピックス、駿台予備校、医学部専門予備校、など。
合格実績;東大、京大、阪大(医学部・医学科)、名古屋大学(医・医)、東北大学(医・医)、九州大学(医学部・医学科)、筑駒中、開成中学、麻布中、駒東中など。