国立大学の医学部と、京大・工学部・東大・理2の「比較」(の意味)

大学受験というと、「国立大学の医学部と東大・理2、京大・工学部はどっちが難しいか」
この話もでます。
ただ、まず比較は可能なのか?
これについて述べます。
この2者の比較をする人は、たいてい駿台の全国模試か河合塾の全統記述模試の偏差値を持ってきます。
しかし、実際の入試は「出た問題の合計点」できまります。
比較をしたがる人は、偏差値を持ってきて、地方国立大学の医学部は東大・理2、京大・工学部と難易度が変わらない、などと言います。
では、その基準で「同等」の地方国立大学の医学部の合格者が、東大の理2や京大の(工)を受けた場合どうなるか。
英語、数学で点数がボロボロになります。
まず数学。地方国立大で、東大や京大が出すような問題はほとんど出ません。
次に英語。地方国立大は、東大が出すような「要約問題」はほとんど出しません。また京大が出すような、「日本文を読んだ時点では普通だけど、英訳しろといわれると書きにくい」あんな英作文はほとんど出ません。また東大が前から必ず出している「ヒアリング問題」、地方国立大ではほとんど出ません(しかも東大のヒアリングは配点比もわりと高い)。
したがって、あの基準で「同等」とされる地方国立大学の医学部の合格者が、東大の理2や京大の(工)を受けると数学、英語で得点の絶対値がだいぶ低くなります。とくに数学の得点がひどくなるでしょう。さらに英語の問題にとどめをさされます。(中学受験でたとえれば、東大・京大≒麻布中・灘中・筑駒の問題。地方国立大・医学部≒慶応普通部・市川中の問題)
つぎに、現実の受験で「東大・理2、京大・工学部、それと国立大学の医学部、どっちにしようか」それはどれほど起きるのでしょうか?
国立大学は実質的に1つしか受験できません。近年は「後期」を廃止する大学が増えています。難易度だけで考えて動いた場合、選ばなかった片方を完全に捨てることを意味します。
例えば、途中まで東大か京大の理系のどこかを受ける気でいた、そこから国立大学の医学部にしようかな?
それは、京大、東大を捨てるということです。
途中まで東大か京大の理系のどこかを受ける気でいた、そこから国立大学の医学部にしようかな?つまり、京大、東大を「捨てる」
現実にこれをするのは何%でしょうか?
さらに、難易度比較の好きな人は、東大の理2と国立大学・医学部の比較をしたがります。
「医学部も」とほんのり考えていて、東大に十分うかりうる実力。その場合なら、理2を受ければいいわけです。理2⇒医学部のルートが進振り上あります。
「医学部も」の感じでその理2を完全に捨てて、どこか地方の国立大学の医学部。
それは頻繁に発生するケースでしょうか?
また、十分東大理類に合格しうる人なら、東大の理2と慶応の医学部・医学科を受ければいいだけのことです。ただしこの場合も「地方国立大学・医学部」は出てきません。
実際に、東大の理1の上位層にはその受験をしている人がいます。
「自分は慶医に受かるのか確かめてみたい」そう思って、東大・理1が本命の人が、慶応の医学部・医学科を受けています。
(わたしの受け持った生徒さんにもいらっしゃいました。両方に合格されました。)
そして東大・理1の上位層は慶応の医学部にも受かっています。
ですから、東大の理2と慶応の医学部・医学科を受ければいいわけです。
(または京大の理系の興味のある学部・学科と慶応の医学部・医学科)
現実に、東大の理類を「捨てて」地方国立大学の医学部、これはどれほど起きることなのでしょうか?逆に、医学部志望が固まっている人は、最初は旧帝大の医学部を念頭に置いていて、もしきつそうなら旧6の医学部などを考える。(こちらも、東大、京大の理系の話は出てきません。)
東大・理2vs地方国立大学の医学部、難易度比較、これは「現実」には起きない。つまり現実には意味はないですよね?
(そのレベルの理系・医に関わったことがない人、ランキングおたくの会話。)

*当ブログの筆者の略歴;
一橋大学・卒。(+東大・理2再受験合格。*再入学は親にとめられた。)
プロ家庭教師。
ネット指導用の英語の教材をいろいろ作りました。月4回月額7000円(5000円)あたりの予定で考えています。)
講師歴;サピックス駿台予備校、医学部専門予備校、など。
2020年入試、合格実績。(わたしが担当した生徒さんに関して)
東北大学、医学部、医学科。合格。
東大、文2。合格。
東大、文2。合格。
開成中学。合格。
わたしのやっている家庭教師センターとしての2020年入試での実績。
東大、理1(48名)合格。
東大、理2(11名)合格。
東大、文2(18名)合格。
東大、文3(8名)合格。
東北大学、医学部、医学科。合格。(*わたしが担当した方とは違う方。)
防衛医科大。合格。
国立大学、医学部、医学科=47名(実数)合格。(上記を除く)