大学受験、鉄緑会とゴリゴリの学校の狭間で。英語、数学、勉強法。

すこし前に以前の生徒さんのことについて書きました。
今回は、また別の生徒さんのことについて書いてみます。
上位私立一貫校の中3のときから家庭教師として担当した生徒さんの話です。
いま運営している家庭教師センターに対してご連絡をいただいて、ご指導開始となった生徒さんでした。
ただ、実は口コミでした。(ほかのご家庭から私のことを前にお聞きになっていた。)
比較的まじめにやっている生徒さんでした。
うかがうようになってある程度経ってから分かったことですが、中学受験では第一志望には不合格となってしまい、第二志望へ進まれた。
当初から、うかがっていたのは、
・学校から指定される勉強の分量がかなり多い。
・外部模試の受験が実質必須で、その回数がだいぶ多い。
学校がていねいに教えるということをほとんどせず、ひたすら追われている。
しかも、これで上位の国立大学にほんとうに届くのかどうか、手ごたえが無い。
・医学部の受験を学校がプッシュしてくる。
・この生徒さんは医学部志望ではない。
「なんのために追われているのか」よくわからない状態になっている。
こういうお話でした。
この一貫校の場合、東大への実績が低下しはじめていました。
医学部の受験を学校側がプッシュしてくる、というのはいってみれば(この一貫校が)東大への実績はあきらめて、「うちは医学部に強いです」に切り替えようとしている。
このあらわれだと思います。
なお、この一貫校の場合、「医学部に強い」へシフトしていますが、国立大学の医学部への実績はあまりありません。
2番手、3番手の私立の医学部がほとんどです。
ご本人と親御さんが当初お考えになっていたのは、「納得しながら、国立大学の上の方へ受かるにはどうしたらよいか」。
そこで、学校の勉強がきついのですが、鉄緑会に入られました。
しばらくは、私がうかがうのと鉄緑会のかけもちでした。
またご本人が気にされていたのは、中学受験で第一志望に落ちてしまったことでした。
それで、自分はトップにはなれなかった、そういう感覚がだいぶ残ってしまっていました。
まじめにやる生徒さんであることはかなり感じていました。
ですが、前述のように学校の方針がおかしい、かなり不合理。また中学受験の結果のことでご本人が自信を失っている。
(自分はトップランクではない、と思ってしまっている)
学校の方針が不合理なので、やってる量、時間のわりには身についていない。(特に数学。英語も納得づくで読み取っているというより、「知っていることを当てはめている」。)
ご指導開始時点から、もしもほとんど向上しなかった場合は、中堅私大どまりになる可能性もかなりある、早慶60%ではまったくない、第3者からみれば、早慶20%未満。そういうような状態でした。
また、学校が受けるのが必須としてしょっちゅう指定している模試も、たとえば旧帝大や慶応、早稲田の志望ならあまり意味のない模試。そういう問題点もありました。
英語も数学も学校では、「範囲内で解きにくい問題を次から次」となっていて、知識・パーツがバラバラな状態になっていました。
英語については、あまりにも知識量重視になってしまっていました。
そのため、英語については知識量はあるが、文章によってはかなりおかしな読み取り、正解とは全く違う訳をしていたりしていました。
(ただ知っていることを強引に当てはめているから。)
ですので、「どうしても押さえないといけないこと」「それらのつながり」。
英語、数学ともにこれに力点をおいて指導していきました。
また問題になったのは、「学校とのつきあいかた」でした。
これについては、とくにお母様が学校への不信感に近いものをおもちだったので、こちらから「学校のかわし方」をご提案しました。
お母様は「学校のいうとおりにしていたらまずい」とお感じになっていたので、こちらからのご提案にも同意していただけました。
また、前述のようにこの一貫校が受験必須としている模試が、正直無意味なものだったため、別のものをご提案しました。
なお、受験頻度は学校が言っている頻度の3分の1くらいをご提案しました。
5ヶ月ほどして、鉄緑の方はお辞めになりました。
模試については、私がご提案したものの方が「学校指定」の模試より偏差値は低くでるものでしたが、ご本人も「こちらの方がレベルが高めの国立大学では出そうな問題が多い」、とお感じになったようでした。
そうして途中からは、とくに数学について、生徒さん自身がその模試での目標点を自分で設定なさっていました。
「学校との付き合い方」は問題が全くなかったわけではありませんが、ご本人も、お母様も「学校に従っていたらまずい」とお考えになっていたので、こちらがご提案した「かわしかた」などをなさっていました。
高1までは、出来は上下動していました。ただ、「あの家庭教師の人が言ってきた模試で点数取れるように、それでいった方がいいな」という方針は固まっていたようです。
指導開始時は、まったく変わらなければ中堅私大どまりもかなりありえる状態でしたが、高2の終わりには、地方旧帝大は受かるんじゃないか、そのレベルまでいっていました。
高3になり、東大実戦と京大実戦を受けられました。
得点、偏差値は京大実戦の方が上でした。とくに、英語、数学は、偏差値70を越えていました(京大実戦で)
この時点では、鉄緑辞めてだいぶたっていました。私の指導だけでした。(また学校のことは、「なんとかかわす」。)
高3の秋になり、また東大実戦と京大実戦、一橋オープン(河合塾)を受けられました。
京大・経済、東大・文2、一橋・経済、すべてA判定でした。
また、数学は東大実戦、京大実戦、一橋オープン(河合塾)すべて偏差値70を軽く越えていました。
受験校についてはいくらか悩まれているようでした。
問題の感じから、また大学の印象から考えて、京大を受けることのほうに気持ちが傾いているようでした。
ただ、京大に進んだことが、東大から逃げたと判断されるのもいい気がしない。そういうような感覚のようでした。
中学受験でトップランクの受験をしていると、「そういう空気」があるんです。

最終的には、東大・文2を受験され、合格されました。
なお、得点開示で数学は全完、80点/80点だったとのことです。

学校を「捨て」鉄緑会を「捨て」、(家庭教師にしぼり)→東大・文2、合格。*数学、東大2次、全完。(80点/80点)
*当ブログの筆者の略歴;
一橋大学・卒。プロ家庭教師。講師歴;サピックス駿台予備校、医学部専門予備校、など。合格実績東大京大大阪大学(医・医)名古屋大学(医・医)東北大学(医・医)九州大学(医・医)、など