<数学、解答の概略>
tan1°が有理数、つまりa/b、(aとbはともに整数、また公約数はない)だとする。
tanの加法定理から
tan2°=tan(1°+1°)=(tan1°+tan1°)/(1-tan1°×tan1°)
この最後の式に使われているtan1°は有理数つまりa/b。
aもbも整数で、整数しか使われていないから一番右の式を計算して通分などして整理するとP/Q、(PもQも整数)の形になる。
したがって、tan2°も有理数。
ここで
tank°=c/d、ただしcもd整数のとき、同じようにtanの加法定理から
tan(k°+1°)=(tank°+tan1°)/(1-tank°×tan1°)【*】
この式に使われているtank°とtan1°は両方とも整数をつかって分数の形で書かれているもので、式の中には整数しか出てこない。
だから、右側のものを計算して通分などすれば
N/Mの形になる。
したがって、
tan1°=a/b、
tan2°=tan(1°+1°)、
tan3°=tan(2°+1°)・・・、
tan(k°+1°)、・・
tan(59°+1)
これらは全部有理数になる。
(【*】で考えたように、一般の数kに対して、加法定理からtan(k°+1°)が有理数であるといえたから。*「数学的帰納法」)
よって
tan(59°+1)=tan60°も有理数になる。
しかし、(実際には)tan60°=√3
無理数である。
冒頭で、tan1°が有理数と仮定して計算をしてきた結果、おかしなことになったから、冒頭のtan1°が有理数という仮定が間違っている。(*背理法)
よって、tan1°は有理数ではない。
ということは、tan1°は無理数である。
〔着想についての説明〕
「1°」で言われているから、座標で傾き、直角三角形つくって考えるあたりでは答案が進まない。そういう風にtan1°の値を導き出すのはできなさそう。そこで方向転換して、「1°」がたくさん集まったら分かりきってる値がなんか出てきたりしないか?「そう着想」して、tanの加法定理か?あとは「無理数である」を直接証明は「きつい」。だから、有理数だっていっておいておかしくなってくれれば「よって無理数」。こういう着想。
<当家庭教師センターの2020年入試での実績>
281人中。
東大、85名、合格。
国立大学、医学部=52名(実数)合格(旧帝大含)
早稲田大学、262名合格(2020年。複数学部合格をカウント)
慶応大学、173名合格(2020年。複数学部合格をカウント)
当ブログの筆者の略歴;
一橋大学・卒。(+東大・理2、再受験で合格。*再入学は親にとめられた。)
プロ家庭教師。
講師歴;サピックス、駿台予備校、医学部専門予備校、など。
ネット指導用の英語の教材をいろいろ作りました。月4回で月額7000円(5000円)あたりの予定で考えています。